タルトを焼いた後に側面の生地が型よりも低くなっていたり、側面の型と生地の間に隙間ができてしまうということはありませんか。
これはタルトの生地が縮んでしまったことが原因です。生地が縮んでしまうと、本来加えるはずだったアパレイユ(ガナッシュや卵や牛乳などの液)の量が入らなくなったり、生地の食感がかたくなってしまうこともあります。
では、タルト生地が縮まないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。今回はタルト生地が縮んでしまう原因とコツを紹介します。
タルト生地が縮まないようにするコツ
タルト生地が縮んでしまうのは生地を作るときとオーブンの温度に原因があります。「バターが溶けてしまった」「生地を練りすぎた」「生地の厚さが均一でない」「オーブンの温度の低下」と4つの原因です。
それらの原因とその対策や作る時のコツを紹介します。
バターを溶かさないようにする
生地を作っている際に、空気や手の温度によりバターが溶けてしまうことが原因のひとつです。
バターが溶けてしまうと、べたついて油っぽい生地ができあがります。溶けたバターがグルテンに染み込んで焼き上がってしまい、生地が固くなって縮んでしまいます。
バターが溶けないためには室温を20℃くらいに保ち、バターに手の熱が伝わらないようにスケッパーを使って混ぜるようにしましょう。また、サブレ生地やブリゼ生地のように手を使ってバターと粉を混ぜる場合は、手の熱が伝わらないようにすばやく行いましょう。
バターの温度を20℃に保つことが大切です。
生地を練りすぎない
生地を作る際に小麦粉を加えてから、練りすぎると生地に弾力性が出すぎてしまうことによります。弾力が出すぎるとグルテンが多くでき、生地の中に広がり、焼いた際に生地が縮まってしまいます。
小麦粉を加えてからはヘラやスケッパーを使い切るように混ぜます。小麦粉と軽く合わさったら混ぜるのを止めます。粉っぽさが残っていてもかまいません。
生地を作業台の上にのせて、生地を滑らせることで生地をなじませます。手のひらを使いラップに包んで、冷蔵庫で休ませます。
生地の厚さを均一にする
タルト生地の厚さが均一でない場合も生地が縮んでしまう原因となります。生地をめん棒で伸ばすときに生地の厚みが異なることがあります。
また、タルト生地を型に敷くときに、指で生地を押さえつけすぎて、その部分だけ生地が薄くなってしまうことがあります。薄い部分は早く焼け、結果的に焼けすぎてしまい、固くなり縮んでしまいます。
タルト生地を伸ばす際には、同じ厚さのルーラー(3~4ミリの厚さ)を両側において生地を伸ばすとよいでしょう。生地をタルト型に敷くときには指で押さえつけすぎず、指全体の広い面を使って敷きます。
敷いた生地がデコボコしていないかどうかを確認しましょう。
オーブンの温度を下げない
生地を作った後、焼成しているときにも生地が縮んでしまう原因があります。
型に敷いたタルト生地をオーブンに入れる際、オーブンの温度が下がってしまうことにも原因があります。
温度が下がってしまうと、焼き色がつきにくく、焼けていないと判断してしまい、結果として想定の時間よりも長く焼いてしまいます。長い時間焼いてしまうと、生地が固くなって縮んでしまいます。
オーブンをあける際には、生地を入れる準備をあらかじめ行い、生地をすばやく入れましょう。または、オーブンの余熱温度を基準よりも10~20℃ほど上げておき、生地を投入してから温度を下げるという方法もあります。
また、生地を焼成している間は、オーブンを開けないようにすることも大切です。