タルト生地を空焼きするときに底の生地が浮いて膨らんでしまうことはありませんか。膨らんでしまうと、アパレイユ(ガナッシュや卵や牛乳などの液)や果物などを詰めることができません。
では、タルト生地の底が浮いて膨らまないためにはどうすればよいのでしょうか。今回はタルト生地の底が浮いてしまう原因と対策、作る時のコツを紹介します。
タルトの底が浮いて膨らむ原因
タルトの底の生地が膨らんで浮いてしまうのは、底の生地とオーブン板(型)の間に空気が入り込み、オーブンの熱によって温められ、空気が膨らみ生地を押し上げたことが原因です。
膨らんだ生地は型やオーブン板から浮いているため熱が伝わらず、十分に焼けないこともあります。一度、押し上げられて膨らんだ生地は、そのまま固まってしまいます。
タルト生地が膨らまないようにするコツ
タルト生地が膨らまないようにするためには、生地を型に敷くときに気をつけることがあります。
生地をしっかりと敷き込む
底が膨らむ原因は、生地とオーブン板(型)の間に空気が入ってしまうことです。ですので、はじめから生地が入らないようにしっかりと生地を敷くことが大切です。
特に、タルトの底の角に隙間ができないように、角が直角になるように敷きます。角が丸みを帯びていないようにしましょう。
ただ、指を使って強く押しすぎてしまうと、生地が均一な厚さになりませんので注意しましょう。生地が固くなり縮んでしまう原因となってしまいます。
ピケをする
焼成前に、生地の底に小さな穴をあけて、生地とオーブン板(型)の間にたまる空気を逃がす方法もあります。
生地に穴をあけることをピケ(Piauer)といいます。フォークの先やピケローラーを使って生地にピケします。
重石をする
タルト生地の上にオーブンシートなどを敷き、その上に小豆などの重石をのせて焼くこともできます。
生地とオーブン板(型)にある空気を逃がすのではなく、生地が浮き上がらないように重石をのせて膨らむのをおさえます。タルトの中にアパレイユなどの液体を詰める場合、重石を使うことがあります。重石には小豆などの乾豆やセラミックでできた重石をつかいます。
ピケすると生地に穴があいてしまい、液体が流れ出るため、重石を利用します。
ただ、重石をのせて焼きつづけると、重石のあたる部分に火が通りにくいため、途中で重石を取り出さなければいけません。生地に焼き色がほんのりと付いてきたタイミングで、重石を取り出します。すばやく取り出さないと、オーブンの温度が下がってしまい、生地が縮んでしまいます。